New 2019年6月1日:(コラム)SNSに見る「日本の城」ツーリズム---「城」観光地の特性と観光客の行動を読み解くを公開しています。
クチコミ・レビュー観測から見たインバウンド市場 その1:2018年インバウンド集客力・外国人宿泊者の国籍構成
近年のマーケティング活動において、インターネット上のソーシャルメディアに書き込まれた口コミやEコマースサイト上のユーザーレビューは、消費者行動に少なからぬ影響を与えるものとして、無視することが出来ない存在となっています。「口コミ・レビュー観測」は、日々インターネット上に投稿される種々雑多な書き込みを収集、整理することにより、マーケティング上の有用な示唆を得るための手法です。主に商品ブランドの評価を時系列や地域比較で分析する分野で応用されています。最近では、大規模データを扱う情報処理の洗練化や自然言語解析技術の進展によって、より一般的な技法となりつつあります。
地域生活の可視化 その1:全国商圏の盛衰
地域生活者の消費行動を商業統計から明らかにします。従業者が多い地区は周囲のエリアから多くの消費者を吸引する力が大きい商業地です。従業者の増減を比較すれば、それぞれの商圏が持つ吸引力の中長期トレンドを評価することが出来ます。
ここでは商業統計の1kmメッシュ集計で、従業者数の規模と変化を可視化しています。最新の2014年調査の従業者数を3Dマップの高さで表現しています。これは商業地の規模を示します。また、商業地の盛衰を如実に示すものとして、従業者数の変化を彩色で表しています。2007年から2014年にかけて従業者数が増加した商業地は赤、減少は青で示しています。
個別の数値は経済産業省の商業統計メッシュデータから確認することが出来ます。
注意:経済センサスの実施に伴って、商業統計調査の調査方法が変更されています。そのため経時変化を分析する上で若干の留意が必要とされます。
地域生活の可視化 その2:人口移動の10年比較
小地域の人口流出入トレンドの変化傾向を把握するために、30代住民の社会増減(転出・転入)を地域の中学校区別に集計したものを10年前(2000-2005年)と現在(2010-2015年)の二つの期間で比較して示しています。画面中央の仕切り線を左右に移動させることで、二つの期間を交互に比較して確認することが出来ます。
都市圏外での人口流入地区が減少していることや、都市圏内においても流入地区(人気の街)の傾向は変化していることが、概観できます。
空間集計単位は、国土交通省「国土数値情報:中学校区、平成25年版および28年版」、「学校施設データ」等から推定した中学校区を用いています。
注意:方法上の制約により、ここで示した学校区が実態と合致していないエリアが存在する可能性があることをご容赦願います。また個別の現行通学区域の詳細につきましては必ず地域の自治体・教育委員会までお問い合わせ頂ますようお願い致します。
地域生活の可視化 その3:地区のコーホートグラフ
コーホートグラフは、小地域内の人口流出入の状況を経年とともに年齢帯毎に捉えます。
これまで、新たな住宅開発によって30代の世代が流入する新興のベッドタウンは、新たな消費市場が生まれ、需要が急増することからショッピングセンターの進出やチェーンストアの出店が盛んなエリアでした。今後は地区によって急激な市場成熟化への対応が求められるものとみられます。
また、自治体ぐるみのシティプロモーションの取組状況の成果を確認することができます。
注意:方法上の制約により、ここで示した学校区が実態と合致していないエリアが存在する可能性があることをご容赦願います。また個別の現行通学区域の詳細につきましては必ず地域の自治体・教育委員会までお問い合わせ頂ますようお願い致します。
地方創生(地域活性化)取組の成果測定法を検討する
地域活性化のKPIの補助指標、関連指標となりそうな指標を検討しました。先行研究や政府による調査リストをもとに、住民税データ、公示地価データ、農業センサスのデータを用いました。指標の有用性を確認するために、地域活性化の先進地域群とその他の地域群において、指標が示す数値に違いがあるかどうかについて確認しました。
地域活性化事例群としては、内閣府による「地方創生総合情報サイト:地方創生に向けた事例集」に取り上げられた基礎自治体群を採用しました。また、それ以外の基礎自治体のうち政令市以外のものを対照群として、二群の平均値の差の検定を行いました。結果として、農業センサスと、公示地価データについては、市町村より小さな集計単位を用いた統計表で、有用な結果をもたらす可能性が示されました。